高圧ブラスト

2017年11月18日土曜日

456話 大型ショットインペラーの内部構造 インペラーローター部

関東アスコンで輸入販売しているインペラーユニット
7.5~22kwまであるが15kwがいいらしい。

ローターユニット





 エアーブラスト装置と違いショツトインペラー装置は心臓部のローターユニットで全てが決まる。エアーブラストの場合圧縮空気を使用するため心臓部にあたるものが、ブラストタンク本体となるため能力差がメーカーにより雲泥の差となるがショツトインペラーの場合世界中の差はほとんどなく、ブレードと呼ばれる羽が消耗品のため価格が安く耐久性があるかどうかがポイントになる。であるので、ローターユニットと”鎧”と呼ばれるハイマンガン鋼やハイクローム鋼が入手できれば誰でもショットインペラー装置は作成できる。
エアーブラストのような第二種圧力容器のような溶接にボイラー溶接のような技術もいらない。かといって、小型のインペラー部が1ユニットしかないような標準機と言われるような通称T-0型エプロン型ショツト機を製作することは意味がない。買った方がましだ。
中国製のエプロン型ブラスト機ならタイで50万円位から新品が手に入る。
日本では150-200万円前後位からで手に入る。便利さから言えば日本製でも十分コストバランスは合う。日本では装置コストよりこのような装置を使うバイト代(正社員にやらせる次元のコストバランスはない)の方が高くつく。エプロン型ブラスト機の場合メインでは錆の除去で大型ボルトや歯車が主体でぶつかって傷がついても問題ない部品に向いている。そもそも、ボルトの再利用などは本来常識的にはやってはいけないのだがやっている場合がある。タイやベトナムあたりでは安いモンキーやレンチ工具の生産する際のメッキ工程の前処理に入れている。時給100-200円位で5台くらいの装置に張り付いて30kg×5台×10サイクル/時間=1.5トン/時間の処理をする。安い工具1個当たりの処理費は数万個レベルで計算できるようになるので100円ショツプに並ぶ工具が生産できる。長くなったが要するに小型のショツトブラスト機など自作しても全く意味がなく迷わず新東やニッチューなどのメーカーから商社を通じて購入するのが得策である。日本でコストバランスの合う仕事があればの話であるが。
反面、上記のような大型ショツトインペラー装置はもう、日本国内には安く設計製作できる会社もなくなってしまった。すべてが特別設計製作品である。価格も特別価格であるから尋常な価格ではない。しかし、どう見ても語弊はあるが誰でもできそうな感じなのである。なぜそんな事が言えるかと言えば私は過去にサカエ産業という(現在は閉店)横浜の町工場で職人さんが3人でショットインペラー機を手作りで製作していた会社に良く出入りしていた。全くいわゆる現在のような工作機械らしい機械がなくガス溶断とマグ溶接機、手曲げロールベンダー、中古の6尺旋盤、グラインダー、回転切断機しかなく全部合わせてもヤフオクで100万以下で揃えられるもので次から次へと小型のショツトブラスト機を作成していた。その時、幅が500mmくらいの板をブラストする装置を作成したのだがインペラーも2基、3.7kwの物を装着したものだった。初めから完成までずーっと定期的に見に行って、完成時の試運転も立ち会った。たいした図面もなくできてしまった。それに感動して色々なものを私から依頼して当時は作ってもらった。もうこのような町工場は日本にはない。



当時500万円前後で横浜でまともな工作機械なしでオールハンドメイドで作成してた。もう、日本にはこんな会社は存在しない。

工作機械が無く手曲げ及び手溶接

工作機械が無いのがわかりやすい、ここが下請けなので下請けに出していない。


T3型 手作り サカエ産業製