高圧ブラスト

2018年5月20日日曜日

第473話 海外でのチェックと打合せも終った。

最近、出張打合せは国内は滅多に行かないので海外の方が多くなった。私にとってはマレーシア+シンガポールの組み合わせは感覚的には岩手か広島くらいの感覚で北海道や九州行くよりは近い感覚だ。別に多忙自慢しているのではなく、全く逆でそれくらいどこか行くのが嫌で面倒臭いだけだ。若いころは海外だろうが、国内だろうがどこでも何日でも全く動じなかったが最近は違う。とにかく、嫌なのだ。飛行機で7.5時間くらいで出入国前後含めると13時間くらいかかる、マレーシアはこの2年間で行っている回数や滞在している日数は近場では静岡~大阪に行ってる回数より多いのだが、全くマレーシアのことはパンブラとホテル周辺しか知らない。もう、昔のように見たい知りたいの興味がわかないのだろう。シンガポールに関しては大阪よりも地理的には詳しいのだが、ようやく今回、美術館や博物館を見て周れた。とても素晴らしくきれいで重厚な作りに対して世界最大規模の現代アートを展示してある。東南アジアの現代アートは新鮮に感じた。NATIONAL GALLERY SINGAPORE 1 ST. ANDREW’S ROAD,SINGAPORE 178957は必見である。

今回の仕事は、通常打合せと納品予定物の指定寸法確認、情報交換という全く何もエキサイトする内容でもなく、このくらいの内容なら誰でもできるはずなのだが、実際は誰もできないのである。だから仕方なしに毎回、自分の上達しない下手くそな英語に自己嫌悪しながら情報交換するのだ。若いうちは全く気にしていなかったのだが、さすがに私のこの歳で下手くそな英語はありえない。英語なんて日本人でもできる奴はいくらでもいるのだが、仕事ができるとは限らない。通訳なんて論外だ。情報交換の最中にジョークを混ぜた話の賞味期限は1-2秒だ。さらに重要なのは日本語においてのコミニュケーション能力がなければ英語など論外である。私の場合、会議とかミーティングで情報は得ることは99%以上ない。そんな場所でお互い言う訳ないのである。ステーキ食べながらとか、コーヒー、お酒、夜に遊びに行った時や工場周りを退屈しのぎで歩いて雑談したりとか様々である。それを、記憶に焼き付けるのである。メモなど決して取らない。

今後の日本の若い技術者の中でこのブラスト業界でリーダーシップを取る人が現れるとしたらその人は確実に海外と交流しなければありえない。なので、やはりきちんとした英語は学ぶべきである。通訳翻訳機などは数十年はかかる。まともでない会話をタイムラグなしで通訳などあり得ないのだ。自分が言語AIマシーンとなるしかない。

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今回、日本のくだらないが、外人としては「えーっ?」と言う話。

今回、マレーシアでお酒飲みながら

私「毎回だけど、日本語と英語っていうのは、会話的には全く互換性ないよ、文字だけなら書いたり読めたりするやつは日本では沢山いるけど、会話ができる奴はほんとに少ない。私自身、長い間勉強してきたし、日本ほど英語の教育に金を使ってる国なんて世界にないよ。最近は自分の下手くそ英語に疲れてきたわ。」

ゲーリー「だろうな。以前テレビで日本語講座と言うのがあって興味本位で見てたけど、難しすぎるわ。タイ語とかマレー語はそれに比べれば簡単だから少しわかるけど日本語は難しい。特に表現方法が一通りでなく何通りもあるから複雑すぎる。」

私「そうだよ、英語ならYOUで終わりなのに、きみ、あなた、おまえ、きさま、あんた...とか、敬語も複雑だ。仕事する日本人なら大抵は6-10年以上英語教育受けているのだが、ほとんどがノースピークイングリッシュだよ。日本語自体が互換性がなさすぎるんだよ。発音に関しても。」

ゲーリー「まぁ、そうだな。ロシア語とアラブ語の連中も日本語ほどではないが難しくて機械翻訳がでなんとか役に立つレベルだし。ここのマレーシア人は英国が統治してた時代の年代の人が完ぺきな英語を話すから私の様なオーストラリア人も何も困らないよ。前回、日本に行ったときはびっくりしたよ。メニュー一つ読めないし行先一つ分からないし。」

途中省略

私「だから、最近はどこの田舎町に行っても英会話教室があるんだよ。日本は介護ビジネスと英会話ビジネスが儲かるんだよ。私はそんなもの興味がないからやらないんだけど。英会話ビジネスは外人にとってはいいと思うよ。日本人相手に英語話せばいいんだから簡単じゃん。引く手あまただし。ゲーリーさんも会社辞めてやることなかったら日本で住んだらいいんだよ。金は稼げるよ」

ゲーリー「そんな、英会話教室なんてつまらないじゃん、興味ないよ。」

私「確かにつまらないよ。下手くそな英語しゃべる日本人相手に笑顔で会話するんだから。でもね、日本では見た目がコーカジアンなら英語できると思われるんで、ドイツ人やロシア人やイタリア人が英語を堂々と教えてるんだぜ。最近は外人人手不足でフィリピンやマレーシアや中国人まで英語教えているし。 途中省略
だから、イギリス人、アメリカ人、カナダ人、オーストラリア人のコーカジアンは大人気だよ。」

ゲーリー「えっ~!マジに?考えようかなぁ・・・(笑)」

私「あ~でも、日本で住むには日本語のハードルがあるから大変だよ。まぁ、私らが居れば大丈夫だけど単独だと慣れるのに少し大変だろうね。」

ゲーリー「いやぁ、やっと今住んでるビーチの近くの家が理想通りで満足してるから、暫くはないかなぁ」

私「ところで、今回から、だいぶ値上げする通知来たけどなんで?」

ゲーリー「あ~最も説明するのが嫌で申し訳ない話なんだけど、中国のアルミ鋳造系が特にコストが急上昇してアルミまで価格が上がったからなんだよ。」

私「なんで、中国のアルミが突然値段が上がったの?」

ゲーリー「公害対策を政府が突然強制し始めて、未対策の工場を閉鎖する動きを始めた結果、膨大な公害対策を工場に設備投資し始めた結果、コストに跳ね返ったんだ。だから、部品の調達コストが上昇して抑えきれなくなって今回の価格改正になってしまった。納期もだから掛かってしまってるんだ。その辺のところ理解して欲しい。アメリカ人のディストリビューターにも説明したらブチ切れてたけど2週間したら自分で調査したら本当だったんで了承してもらった。」

途中省略

私「なるほどね、中国も環境について考え始めてるんだ。日本も昔は酷かったけど今は川に魚が住めるくらいキレイになってるし、日本にPM2.5がもろに飛来してくるのが収まればいいけど、結局その費用は我々が出すことになるのかぁ・・・」

ゲーリー「まぁ、中国自体今後コストが更に上昇するだろうなぁ。」
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今回、シンガポールで夕飯食べながら

私「ところで、君は前の職は何をやってたの?塗料会社にいたのは聞いたけど」

デイブ「僕?あれ?言わなかったでしたっけ?コーテイングインスペクターですよ。」

私「レベルは?2?3?」

デイブ「3ですよ。色々な塗料会社に所属しました。日本の****もね。だから日本に行ったことあるんですよ」

私「ここのステーキうまいなぁ・・・タイガービア追加で飲みたいから、ヨロしく」
途中省略

私「日本はインスペクター制度が無いから、塗料会社の立場は弱いよ。造船は仕方なしにNACEやってるけど応募してもすぐ予約埋まるし、レベル3は結構大変だよ。年に1回か2回で会場は2か所しかないし。」(適当に言ってる事もある、私自身SSPCは興味があるがNACEには興味がないため)

デイブ「NACEのコーテイングインスペクターの資格は簡単ですよ。私はオーストラリアで取得した後、オーストラリアの塗料会社で勤めていた。毎月講習、テストあるし5日間座学で屋外は1日だし、自分の経験を論じればいいだけだし。むしろ、その後の方の実戦の経験の方が大変ですがね。オーストラリアだと日本人の場合、英語の壁があるから最後の論述プレゼン部分が大変だろうな。」*論述プレゼンは専門知識を表現するために英検の1級よりは難しい

デイブ「でも、日本なんかにインスペクターなんて必要ないじゃないですか。塗料もいいし、下地処理の品質も悪くないでしょ。世界が認める工業国なんだから」

私「実はそこなんだよ、違うんだよな。日本は変わってきてるんだよ。今後も移民は受け入れないし、日本は単一民族の仏教なんでいいんだけど、いい加減な奴も増えてきてるんだよ。きちんとやらないやつが増えてきたんだよ。だから、今はそうでなくても未来的にはブラストは自動化していくしかいずれにおいても道はないし、日本らしいと言えばそういう方法しかないわけなんだよな。」

デイブ「なるほどね。だからロボットかぁ、アジアでブラストロボット買うなんて日本しかないよ。次に見込みがあるのは中国かなぁ」

私「中国?韓国じゃなくて?中国自体、ブラスト装置のコピーマーケットじゃん。人口多いしロボット買う人いるんだ?」

デイブ「確かにコピーは多いけど、工業生産自体の人件費コストが上がってきていて自動化しないといけなくなってきているのと、公害対策も進んできている。とにかく、中国マーケットは巨大なので、全員がコピー品を使う訳でなく品質のいい正規品を求めるユーザーもいますよ。ロボットなんかはコピーできないから大丈夫です、ただし、日本の場合と違って次にというだけでまだ先で研究機関がトライすればの話です。」

私「なるほどね。中国は広いからなぁ・・・」

以下省略
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いつも通りの、再来月に納品する標準型2台ブラストタンク用循環式ブラストルーム用選別機。
今回は地下と地上で2台使う。シュート部分を改造してあるのと標準機だがモーターなど仕様と違ったり、シャフトの軸のズレにより振動が出てないか、運転確認している。こちらから「行くよ」というと納期が早まる効果もある。
日本のブラストルームは何をやっても世界で一番コストがかかっている。仕方ないのだが、若い人が誰もやりたくない汚い仕事なのに、金額だけは敷居が高い。できるだけ安く提供し、この仕事が日本から無くならないようになればいいと思う。





スチールグリッド2トン入る、このくらいが小型ルームとしては使いやすい。
ツインカートリッジフィルター30m3/min
でその全てを選別機のグリッドの粉塵回収に使うため強力だ。