高圧ブラスト

2018年6月30日土曜日

アルファ1の使い方 1

まず、対象となるワークを決める。
簡単な形状、例えばH鋼やパイプとかなら初めからタスクパッケージに入っている。
今回は、ブラストタンクの下部シュート部を対象とする。
我々㈱関東アスコンの場合は、日本において全てを理解しなければならない立場なので今後も図形の入力からマスターするが、セーバー側の主張はこんな下記のようなことをして欲しいとは全く言っていない。逆にあまり弄くらないで欲しいと再度通告してきている。
実は下のシュミレーションは私が作ったもので、取説も見ずに適当に作成したものだ。プログラムをコピーしてそのセクションに挿入しただけなのでコマンド入力はしていない。なのでシリンダーオブジェクトの上に重ね書きになっている。CAD、CAMを使っている人ならこの装置のシュミレーションは容易であることが想像できる。

話を元に戻せば、セーバー側が言うには
ユーザーにこの手の類はさせるなということだ。
解りやすく言い分を説明すると

以前は手動旋盤、手動フライス盤で夫婦2人でやってきた仕事をNC旋盤、NCフライスに置き換えたときにメーカー側が今後受注する一切の図面を渡してくれたらその工作過程のプログラムをメールしてUSBに書き込み差し込むだけで後は機械がやってくれるよ。だから、自分で弄くろうなんて考えなくていいよ。やるなら、気合入れてオーストラリアに通ってもらうことになるよ。時間の無駄だと思うよ。心配するな、任せろ。

ということらしい。

と言われても、やはり知りたい。

確かに彼らが言うことの方が正しいし、効率的だ。下手くそに時間をかけ未完成なソースタスクを作成するよりも頼んで完全なタスクを得た方がよい。彼らはブラストのメーカーでもあるので、ブラスト処理角度などの設定はさすがに細かく設定できるようにしてくれている。私の方も今後はユーザーに対しては全て安全保障という意味ではタスクは外注するつもりだ。

そもそも、このアルファ1は、下記にあるような誰でも簡単にできるブラストに使うものではないとオーストラリアで初めにレクチャーされた。




テストピースの形状

アルファ1に取り込む

シュミレーションの図 

2018年6月29日金曜日

自律型ブラストロボットによるブラスト処理を始める際して

自律型アルファ1ブラスト処理ロボットに関しては従来の多軸型ロボットとは全く違う概念でブラスト処理ができるため研究が必要である。従来はティーチングかプログラムにしか頼れないため、ワーク位置と形状が変わると対応できなかった。そのため、ブラスト処理の試験をするにも単純な形状のみで行うしかなった。自律型アルファ1ブラスト処理ロボットはブラスト対象物の形状に関しては使用者側の概念としては気にしなくてよいため一連の構造物に関しても連続ブラストができる。最大の特徴として3次元の絵としてとらえる事である。従来の多軸型ロボットは目が無いので形状変化に対応できない。また、更にブラストシュミレーションと実行が対になっているため把握しやすい。ロボット及びAIの先進国であるアメリカでさえ、この自律型ブラスト処理ロボットは実現していないため、この先数年も実用販売されることは無いと思われる。理由は簡単で現在および近い将来的にもコスト的にペイしないためである。日本で開発及び製造販売は技術的には可能でも商業的には永遠に赤字になる事は間違いない。フェラーリやランボルギーニを上回る車を日本の軽自動車の専門メーカーがゼロから開発しないのと同じ意味である。日本の自動車メーカならどこでもフェラーリやランボルギーニを超える車を開発することくらいは容易である。しかし、誰もそんなステータスも無く需要も全くない車を数百億かけて生産などするわけもない。規模は違うが、意味は同じである。現在、自律型アルファ1ブラスト処理ロボットが日本で最高に売れても初めは10台くらいではないかと思う。逆にこの1台で終わる可能性もある。ブラスト処理工法自体古いので認知してもらう必要もない。この自律型アルファ1ブラスト処理ロボットを手にする者は明らかにブラスト処理というものに嫌々従事している者ではなく、運命的に携わり、道楽的にトップ、頂点を目指した者だけが手にするマシンなのである。道楽だから当然儲からない、趣味なわけだから恐ろしくブラストに詳しいエンスーのみが興味を抱く。そもそも、ブラスト処理を10年以上研究していればおのずとわかる壁がある。人間の腕の筋肉の速度と角度の維持の低い限界点である。簡単に言えば、人間は疲れるので自動ブラストには勝てないのである。今のところ勝てるのは目視によるブラスト処理の不良の判断である。ミルスケール相手のブラスト処理では既に誰もが理解している。なので、屋外の既存の構造物に対するブラスト処理も人間では完全にできないのである。何回かやれば必ずミスがあるし、作業者に1週間、同じ角度で同じ距離で同じ間隔で1日200m2をSa2.5でやらせて、2日目の3時20分にブラストした場所のブラストパターンを言ってくださいなんてできない事なのである。人間なんだから当たり前である。人間は物を考え生活する生き物であるので、向いてない作業は置き換えるしかない。ブラストの研究にしても同じである。条件がわからないブラスト処理した鋼板の研究結果を聞いて、知っても何も感動しない。研究する対象物が構造物である場合でも人間のブラスト処理物で考える場合はできるだけサンプリング数を上げるしかない。
しかし、自律型ブラスト処理ロボットなら1回で済む。記録もブラスト処理の状態までが記録として残るためである。



2018年6月26日火曜日

アルファ1ブラストロボットのためのブラストルーム、回収機、選別機、自動ブラストタンクすべて完成

来月、防錆協会で発表後、続いて18日~東京ビッグサイトで展示。
その後、9月からアジア地区で初めて一般公開し始めます。詳しくは関東アスコン・東京まで。自律型アルファ1ブラストロボットはアジア地区でのデモは今後も関東アスコンのみです。
そのための付帯設備が昨日完成しました。








2018年6月23日土曜日

アルファ1ブラストロボット カントウアスコンJPシュミレーター 日本語パッチ 完了!!


アルファ1ブラストロボット カントウアスコンJPシュミレーター 日本語パッチVer.1806-1

2018年7月18日~20日、東京ビッグサイト メンテナンスショーで公開します。
厚地鉄工㈱関東アスコンブースに来てください。

セーバーのアルファ1ブラストロボットは、誰でも簡単にどこでもブラスト作業を自律型ロボットに置き換えることができます。というのが売りだったので、「自分で言うのはあれですが、日本人は頭がいいのですが、ほとんどの人が英語が理解できませんよ。日本語の構造は特殊だから。」と話したことがきっかけであった。
実際、見栄を張ろうが何をしようが、英語完全に理解している日本人はかなりの努力をしているのが事実で頭がいいからとかは関係ない事だけは断言できる。たいていのアメリカ人は英語の映画を字幕なしで理解する。この当たり前のことが日本人にとっては50mの壁を梯子でよじ登るようなものだ。

まぁ、セーバー側もオーストラリアで私と会話していて英語力のなさを痛感したのだろう、向こうの方が乗り気でいたのでなんだか、正直言って恥ずかしいやら悔しいやら、ずーっと今でもモヤモヤは個人的にはしていたのですが。まぁ、いいかぁと思いなおしてプロジェクトを進めましたが。


今回、セーバー社との間で4か月ほど進めていたプロジェクトでアルファ1ブラストロボット本体ではなく、各自のノートパソコンでゲーム感覚で学びながらシュミレーションできるアルファ1ブラストロボット カントウアスコンJPシュミレーター 日本語パッチVer.1が完成した。日本人の最大の難関の英語表記のままだとブラスト及びコンピューター専門用語が多くて難解で誰も使えません。日本語化したおかげで誰でも1時間くらいで下記の様なシュミレーションができるようになりました。アルファ1ブラストロボット 本体とはリンクされていないのでどんな操作をしても当然壊れませんし、現場と設計部門が離れていてもメールでやり取りできます。今後、ユーザ登録してサポートプログラムは更新していきますので安心です。
アルファ1ブラストロボットを購入いただいたユーザーには無償で譲渡及びサポートします。シュミレーターのみの販売は致しません。

日本語化の修正は今後進めていきます。
取説の方はだいたい終わったのですが、装置の表示と日本語の表現がおかしいところがまだあります。日本語パッチ及びサポートは㈱関東アスコンでしか行いませんのでアルファ1ブラストロボットを海外で購入して日本に持ち込んでもサポートは受けられません。




操作の感じを見てください、画面をキャプチャーしました



動画キャプチャーソフトが無かったので試用版で取り込んでいますので広告がど真ん中に入ってます。

2018年6月17日日曜日

アルファ1ブラストロボット用のブラスト室 例1

アルファ1ブラストロボットを工場内で使用するときは、ブラスト室の装備を人が作業するときよりも簡易にできるためシンプルなブラスト室でよい。
・照明:最低限でよい
・集塵機:作業者用の大型集塵機は基本的には必要ないが、ワークの出し入れ時やブラストエアーの行き所が無くなるので小型集塵機はあった方がよい。
床面を真空回収するバキュームフロアー型が最適である。
・従来のロボット場合は所定の1箇所に固定しなければならないが、その必要はなくアルファ1ブラストロボット自体が動けるようにすればよい。極端な例としては荷物台車に載せてブラストしてもよい。
・研削材の粒径材質種類を問わない。
・剥離物が有害であっても問題ない。

ブラスト作業者を狭い空間において何年も作業させるのはかなり忍耐がいることである。
特に同じような(*全く同じはない形状)ブラスト作業で大量にある場合は飽きてしまうのと肩こりなどのストレスがかかる。鉛などの有害物を狭い空間で長い時間ブラストしているうちに体内に蓄積する。一度取り込まれた重金属は対外には排出できないため健康障害を引き起こす。仮にレーザーブラストを使用しても同じことで作業者が介在している限り昇華した鉛ガスを吸うことになる。アルファ1ブラストロボットにレーザーノズルを持たせることが一番良いのであろう。その場合下記のようなシステムがそのまま剥離物の回収機となる。レーザー装置と組み合わせても以前のような目が飛び出るほどの高価な装置ではなく、私の様な社員数名の会社規模でも手が届く訳であるから大企業であれば研究目的で手に入れることができる。










2018年6月6日水曜日

第476話 簡易ルーム用 選別機

基本的にブラストルームを設置する場合機器にはなるべくお金を掛けない方がよい。
集塵機に関しても、風量と静圧だけで見れば安価なものもいくらでもある。
基本的には研削材をスチールグリッドを使用することと、集塵機フィルターをまめに交換することが良い。なのでフィルターの価格と交換しやすさを確認すべきだ。
通常、ブラストルーム本体、工事費以外の機器で1000万円以下で始められるのが理想である。コンプレッサーに関しては、一人当たり最低でも75Kw以上で極力電気式を購入すべきだが、予算的にきつい場合はレンタルも視野に置く。通常ブラストルームの場合5年ほどでペイできればと考える企業が多いが簡易型の場合は1年以内にペイすることが望ましい。ロボットを使用しない限り人件費がかさむためである。理想的な立地条件としては極力、物流がかかっても都心部を離れることが重要だ。塩の多い海岸部も避ける。水はけの悪いところも避ける。土地代を気にせず建屋をできる限り確保できることが最重要である。ブラスト後に雨に濡れてしまっては何の意味もない。塗装機や溶射機も用意してすぐに次工程へ移れるようにする。作業者+エアーブラスト機だけでも利益は確保できるが欲を言えば自動ショツトブラスト処理装置がある方が楽ではある。ただし、国内製は高価なためと、部品の互換性が全くないためメンテナンス性をよく吟味して購入すべきである。
初めのうちはエアーブラスト機のみで仕事をする方がリスクはない。

ホッパーをフォークリフト移動式とした場合

ブラストルームに接続する場合

外壁に置いた場合

簡易ブラストルームの設置例
屋外で設置した場合

回収機と合わせた場合

現行使用している部屋をそのままリニューアルした場合

移動式テントハウスに設置した場合