高圧ブラスト

2018年4月1日日曜日

第467話 今後のロボットによるエアーブラスト処理の方法

現在、国内での構造物に対するエアーブラスト処理の殆んどは作業者が人力で行っている。小型の生産品の前処理で年間数万個処理しなければならない物は従来通り、箱型ブラスト装置により自動化はされている。
ここでポイントなのは、生産数が多ければブラストは自動化されている点である。
自動化されているブラスト処理ではまず、ほとんどエラーすなわちブラスト処理不良が発生していない。反面問題を起こしているのは屋外現場のブラスト処理である。
屋外ブラスト処理は管理上、ロボットにすぐに置き換えられない問題があるため今後の課題である。要するに人間でも中々難しくてできないのである。屋外構造物に対するブラスト処理に関してだけは、ロボットと人間を比較した場合”真面目にやれば”人間の方が上である。真面目にやればと言う点はインスペクターが細かく指摘すればという意味である。
この点は国内外問わず、結論が出ている共通認識であるので論ずるに値しない。

そうでない例として

日本国内でまだかなりのブラスト処理量として、中~小型ブラストルームで作業者が毎回、同じ形状の物をエアーブラスト処理をしている。大抵のものはショットブラスト処理でまかなえるのだが、日本のショツトブラスト機はスチールグリッドが使えないため(インペラーブレードの材質が悪いため)アンカーパターン、表面粗さ、表面形状の3点が規定値が達成できないため塗料の密着性能が出ずにエラーを起こす恐れがあるため、クライアント側がエアーブラスト処理を指定するためである。単純にショツトブラスト機を入れ替えればいいと思うが設備が大型で転用が効かないため誰も入れ替えを考えない。

実際例として
24時間3交代で2人が常にブラスト処理している工場がある。
ワークの品種は2-3種類でショットブラスト装置に入らない形状である。(入るような装置を製作すると数億円かかるという意味である)
現在すでに4年間休まずにブラストしてきたのだが、まだ3年間は続くらしい。
もうすでに、日本人のブラスト作業者は辞めてしまい現在は外国人の人がかわるがわる行っているが確保が大変らしい。
外国人の人の場合、滞在先から食事まで世話をするため給料込みで一人年間5-600万は掛かるだろうから一日6人工なので軽く年間3000-4000万円は掛かるのと同時に病気やケガなども面倒を見なければならず元請側も大変である。

見方を変えれば、私が言うところの自律型ロボットを6台導入しても7年間もあれば完全にペイするのである。ペイするどころかSSPCかJPCLに英語論文でも書けば世界的な成功例として評価されるに違いなく次の仕事も確保できる。外国人の人を採用するとすれば、英語が堪能なインド人、フィリピン人とかマレーシア人を採用すれば、分厚い英文のロボットの取り扱いもスムーズに行く。ついでに、英語で論文を書いてもらえば、その外国人も日本に来た意味が出てくる。マレーシア人の中で大学を出ていれば確実に専門外であっても英語くらいはマスターしている。私自身も以前若い頃、3か国語ができる日本の大学を特待生で卒業した外国人を雇っていたが、実に頭が良く、お互い伸びた。私としては、給料も日本人と全く同じにしていたので外国人のつもりはなくただ単に優秀な人を採用していたと思っていただけだが、その外国人は当時は就職先が無かったらしい。
何が言いたいかと言うと、ブラスト作業に関する外国人採用するに関しては通常、ブラスト作業者にさせようとしているがそうではなく、自律型ロボットのようにオペレーター自体が英語ができる方が海外とのやり取りがスムーズに行くため肉体労働ではなく頭脳労働者として外国人を採用し、国際的に論文も発表していく形態をとる時代とチャンスであると思うのである。


適当に斜めに置いたH鋼材をSa2.5-3でブラストした