高圧ブラスト

2017年7月26日水曜日

日本のエアーブラストの今後について

そろそろ、私も働きはじめて30年近くなり厚地鉄工でエアーブラストの装置・設備を扱うようになって25年になる。その間、ずーっと同じテンションではなかったが、さすがにほぼ毎日情報が入り考察しているのだから大抵のことはわかるし、やらなくても結果が予想できるし、絶対に外さない。
今から思えば、昔は手探りでやっていたので全く効率が悪かった。
特に装置設計においてはテストを繰り返しやって設計データをまとめていた。
ブラストルームのような、簡単なものでもそんなことをしていた。
当然、データーは残してあるものも多いが読み、理解する力がなければ
意味がないし、ハードディスクの中にうずもれているので、もう、私以外で日の目を見ることはないだろう。

そして、この後はどうなるのだろうと思った。

関東アスコンでは特に過去25年間を遡っても、私以外、生粋の理工系出身者は居なかった。現在もそうである。これに関してはメリットデメリットがあったのでどちらでもよかったのだが、今後10年後はおそらく、また振出しに戻るだろう。こんな企業世界中に無数にあるのだろうと思う。論文を書いて冊子に発表すればいいのだろうが、論文というのは単なる記事や日記など書いても意味がないし、そもそも理論と式とデータが無ければゴミである。
私の言う内容はそんなもんではない。例えば
ブラストノズルの出口での噴射速度と圧力分布をコンクリートに対する研削性能について
とかである。こんなものは、論文にするならすべて式で表し、数枚の論文に2年はかかる。
しかし、結果だけは私は知っている。ノズルの形状により掘れる深さが変わるのだが
50mm以上は掘れないのである。なのでエアーブラストによるコンクリートはつりに関してはテストを数多く行うのであるが、だいたいの結果を知っているので、一発でユーザーの希望する結果をセットできるのである。しかし、私以外は知らないから普通なら10倍以上時間と費用を掛けるのである。結果だけ知ると簡単なのだが、知らなければ角度やら圧力やら通常100通り×研削材種類×#サイズとなる。
上記は1例だが、無数にある。プラスどこでそのノズルを入手できるのかとか営業的な知識などが加わるともう、私以外は無理である。

この手の仕事自体、将来的には東南アジア勢にすべて持っていかれるだろう。
現在でも関税が無い国での加工は日本で加工するよりはるかに安くつく。
どいう事かと言えば、全く同じブラストタンク1台作るのは、日本より東南アジアの方が1/5くらいで船便輸送費入れても1/3で収まる。「こんな話、みんな知ってますよ、」と言うが本当は知らない。知ってるわけがないのだ。向こうは、向こうで言う一流の工科系大学出の技術者が溶接をしたり図面を書いているのだ。ブラストタンクに関しては恐ろしいことに例えば関東アスコンのために配管を少しいじっただけで3D CAD図を描いているのだ。組み付け要員も全てそれを見て組み立てをしている。日本ではありえないことである。もし、こんなことをやってたらブラストタンクが何倍にもなる。
当然、海外では図面作製費などというバカげた請求などしてこない。
彼らのデータなので次回別の客に応用するからだ。

マレーシアに20年くらい前から行ってる人は良く知ってるだろうが、自動車や交通網がかなり先進国のルール、アメリカのハイウエイを取り入れている。
20年前に売り込みで言ったときは、ひどい渋滞と恐ろしく古い車が多く、所々で故障していた。また、交通ルールもなんだか、ひどかった。しかし、2週間前いった時はもう、
アメリカに居るくらいに流れるようなハイウエイに驚愕した。
日本の失敗を見ているのだろうと思った。