高圧ブラスト

2016年9月22日木曜日

鉄系研削材の溶可性塩分濃度と電気伝導度とブラスト処理後の平米あたりの塩分濃度 1

この表題でピンと来る人はNACEのレベル3以上の人か同等のレベルの人だと思いますが、最新の海外のトピックです。

非鉄系なら、レベル2でもトピックになりますが、鉄系(スチールグリッド、ショツト)に関してなので、かなり複雑で現在日本では規定がありません。
ISO TC35/SC12/WG4での議題ですが、本質を真っ向から検討している方は国内ではいないと思いますが…いらっしゃれば、一報願います。


2016年9月15日木曜日

ブラスト用研削材について

次に問題となっているのが、ブラスト用研削材と研磨材の違いが全く理解されていないことだ。

研磨剤は研削材ではなく、同じ材質、同じ粒度でも全く意味が違う。

ブラスト用研削材はグレードが高い基準が設けられていて、その基準が満たされたうえでその証明書=検査報告書の製造ロットごとの保管が義務がある。

だから、輸入する研削材の場合、本来はハードルが高いのだが、その存在を知らない人が多すぎるので問題とならない。ここでも、インスペクター不在の弊害が生じている。

通常、インスペクターは研削材のチェックを行うのだが、当然NACEもしくはSSPCのレベル3以上であれば、目が肥えているので、研削材の紙袋だけで全ての判断ができる。

要するに得体のしれない研削材と称しているものは「不可」にしてしまう。

例えば、某国産のガーネットと称している砂もしくはアルミナ、製鋼スラグと称している廃材はことごとく不可となる。不可を可にするためには毎回、成分分析表を最新のものを添付する。
費用的には50万円位かかるのだが、場合によって1000トンも使う場合は安くつく場合もあるので一概に、この方法がダメというわけではない。

通常、得体の知れている国内販売されている研削材なら、上記のことはほぼ毎月もしくは製造者側の100%責任=PL法的に成されているので、購入者側は製造証明と成績証明を要求できる。これを拒むもしくは、原産国が不明なものは使用してはならない。

ここで、大きな間違いを起こしているのは、製造者側も使用者側もその事を知らないことが多い。
だから、特に製造者側が知らないので、古いコピーを持ち出してくるのだ。
そんなことが通用するなら、研削材なんて、某国の海水で洗浄したやつを国内で紙袋に詰めればいいわけである。

もう一つ重要なのは、販売する場合「ブラスト用研削材」として販売しなければいいのである。
使用者側が、「ブラストに使うブラスト用研削材」と指定してきているのに「研磨材」ないし、「砂、廃材、路盤材」を袋に「ブラスト用研削材」と印刷して販売した場合は罪になるが、知らないで買ってしまい、使ってしまった場合は全面的に使用者が悪いことになる。

インスペクターはそのあたりの修正役なのだが日本には正式には無いため混乱している。

以前は、それほど研削材の乱立は無かったので特に問題は起きなかったのと、過去20年近くほとんど日本のブラストの発展は無かったことが言える。この事は、間違いなくこの私が生き証人なので自信をもって言える。国内でブラストの仕事らしい仕事が出てきたのはこの5年以内だ。それまでは、工場ブラスト=スチールグリッドブラストや、バキュームブラスト=コンクリートブラストなどの装置需要はあったが、特に新しい技術や規格、仕様などが必要とせず、従来通りのやり方で全く問題なかった。これは、研削材がスチールグリッド、酸化アルミナを採用したり、被ブラスト処理面が錆びていない鋼板及びコンクリートだったりしたからである。また、造船においても比較的、規格が重視される修繕船への塗り替えブラストについては、ほとんどがマレーシア、インドネシア、フィリピンなどのアジアへ移行してしまい国内では大型船の塗り替え物件より新造船へシフトしたためである。新造船のブラストは修繕船と比較すれば結論端的に言えば簡単である。


以上のことにより、ブラストに関するすべての環境がこの、20年間の間に空洞化し、
このブラスト業界の「インスペクター」が不在化した。

その結果、上記のような研削材のJIS化やISO化に対する有識者の絶対数が激減し、無秩序化に拍車をかけた。

現在、ブラスト用研削材に関しては、防錆技術協会が全面委託され毎度審議を重ねているが、ブラスト用研削材への有識度合が低く、委員会そのものが「指導の場」になってしまっている。
ただし、救いなのは参加者が前向きであるので、改善へ向かっていることである。
以前は、JIS化の登竜門を通過しない研削材は国内では使用できなかったのであるが、現在は結構、逆転しており「ブラスト用研削材」販売先行で後追いで判定している。

今後は厳密化の必要性がある分野で、当委員会が認定もしくはJIS基準に満ちていない研削材は公共事業系(税金を使用するもしくは税金の援助がある可能性)のブラストにおいて使用禁止にすべきである。

特に塗料の塗装システムに対する素地調整に使用した場合の耐久性暴露試験結果を有しないものは排除すべきである。















2016年9月13日火曜日

除せい(錆)度について

最近、ブラスト及び重防食関係の仕事に関わっている人の中で、

本気で「除せい(錆)度」を知らない人がいる事に絶望を感じる。

知っている側からすれば、驚愕なので何も言えない。

私は1~10までの数を知りませんが、偏微分方程式の解は自分なりに解答を出せると言っているようなもので、アルファベットは書くことも読むことも解りませんが、ハリウッドの映画を全部字幕なしで理解しています、と言って感想を述べているようなものだ。

除せい度とは、当然のごとくブラスト処理度合いを指す訳で
ISO8501-1に記載されている通りのことだが、詳しいことを暗記しろという意味ではなく

読んで字のごとく錆を除いた度合いを言っているのに

反対の意味の錆びた具合を言っている人がまぁまぁ居るということなのだ。

この人たちが現場で管理者になっている場合があるので恐ろしい。

海外ではありえないことだ。

ここまで来るともはや、絶望しか感じない。

専門職教育とは難しいと感じた。