高圧ブラスト

2018年8月25日土曜日

小型簡易ブラストルーム及び選別機



今回はアルファ1ブラストロボットだけをテーマにしたのではなくブラスト処理装置を広く全般に紹介します。特に直圧式に関しては世界の最前線からの実戦型装置を製造販売、および紹介いたします。例えば、ブラストルームを設置したいのだけれでも、装置、予算等でお悩みの方にもエントリーモデルとして200万円~からのブラスト室の設置指導から、アルファ1ブラストロボットを使用したすなわち、ヒューマンレスブラスト処理ルームまでの紹介をします。今後は粉塵環境などの問題で作業者がブラスト処理を行うこと自体が縮小して行く傾向があるのと同時に作業者がブラストルームに入るためには、各所様々な法的届け出が必要なのです。ヒューマンレスブラスト処理をするアルファ1ブラストロボットを使用することによりその問題から解放されます。また、ブラスト作業に関する労働災害、健康被害、ブラスト作業者の雇用問題からも同時に解放され、純粋にブラスト技術のみの蓄積データ管理をすることに業務の統一化が図れます。
今回は実機を持ち込むことはせず、パネルディスカッションの場として参加させていただく予定です。

低価格ブラストルームエントリーモデル
このような部屋はユーザーさんで用意してもらいます。将来的にはアルファ1ブラストロボットを導入します。
地下ピットを工事してもらいます。



このユーザーさんは簡易選別機を2基組み合わせで設置しました。選別自体が2回行われるのと設置工事が楽です。




フェロニッケル系研削材の再使用低価格循環選別機
産廃処理+輸送費で元が取れる




2018年8月16日木曜日

アルファ1ブラストロボットの運営方法

ブラスト自体の精度を上げることも重要だが日本においては人手不足、特にブラスト作業者の確保に悩まされている方が多いはずだ。近年、さらに深刻で良いブラスト作業者が余って仕方ない会社は聞いたことが無く、国内のブラストルーム内のエアブラスト作業においては50%近くが外国人ブラスト作業者が処理している。日本人の職人が集まらないわけだが、当然と言えば当然である。今の日本の若い人たちがあの作業を「よし、これで一生頑張るぞ」などと思える内容ではない。通常なら1年もやれば技術としても十分マスターできる。これは、外国人労働者にとっても同じはずだ。彼らも同じ人間だ。こんな作業ばかりさせる、日本に対してどう感じるかは別としても、腕に職をつけるものではない作業であることは気が付くはずだ。だから、タフな環境から来た外国人と言えども、もう少し楽な仕事を探すはずだ。中には自分の国に帰った時に起業する外国人の若者もいるだろう。今回、アルファ1ブラストロボットを導入している国の連中は主に日本よりも外国人=移民があふれている国だがやはり、ブラスト作業者は人手不足だという。やらせることができないくらいのレベルなのか?やらせたくないのかはわからないが、コーカジアンの連中は皆、「ブラストやる人がいない」という。ここでいうブラスト作業はあくまでも、ブラストルーム内作業であり、賃金も高く設定はできない話で屋外作業ブラストなど危険が伴う作業の場合は賃金が高いのでやる人はまだいる。
屋内ブラスト作業は既に、人がやることの終焉を迎えているわけだ。
ブラスト作業ではなくブラスト処理として考えれば簡単で、なぜ人がやらなければならなかったのか?だけを考えればおのずと解答が出てくる。今まで、制御技術的に難しかっただけなのだ。ブラスト処理自体は人が行うより機械=ロボットなどが行う方が早くて確実な処理を行う。今時、手旋盤で高精度シャフト軸を切削していないことと同じでNC旋盤が常識なのと同じである。制御技術が発達した現在は可能となったわけで、NC旋盤やNCフライスに変わっていくと同じ経緯をたどるだけである。特に大企業の製造工場の片隅の汚い一角で埃まみれの中で作業者が頭巾を被ってやる風景は無くなっていくだろう。
なぜならば、製造過程でブラスト処理は重要な工程なのにきちんと管理が為されておらず、弱点であることを認識しているが、あまりの汚さに若い技術者が興味を持たないため、無視する体制になってしまった。そこで、下請けに管理させるのだが、下請け側もその辺を理解しているため改善はしない。する必要など全くないどころかしない方がいい事が多い。ところが、大企業の予算と技術者が居ればアルファ1ブラストロボットを使用してブラスト処理を管理することなど容易であるし、今まで管理できてなかった、ブラスト処理という得体のしれない処理工程が見えてくる。管理ができるわけである。技術者として自社製品を世の中に送り出す場合、製造工程の細部まで熟知することが重要でこれができない技術者や会社は失格だ。近年、不祥事の多くは「知らなかった、任せていたが認識不足だった。」と釈明している記者会見を見るが、あり得ない話である。以前自動車会社の1社だけが「知っているが、その検査方法に何の意味があるんであかね?はぁ?」的な発言をして猛バッシングを受けていたが、私からすると、そちらの方が技術者的には上である。要するに信頼ができる製品である。「知らない」というのは最悪で「任せていた」は無知である。
今後はブラスト作業から人が頭巾を被りうす暗い汚い部屋から出てくる風景が無くなり、企業の技術者も積極的にブラスト処理を学べる世界になっていくことを期待する。
アルファ1ブラストロボットを手作業で壁の横に設置してブラストした、この後またすぐに取り外して別の台座に装着した。25kgの重量は非常に便利だ。

処理前




処理前
処理後

この処理を人がわざわざやることに何の意味があるのだろうか?斜めに乱雑に置いたH鋼をSa2.5にするだけである。アルファ1ブラストロボットでできてしまう。
















処理後







2018年8月9日木曜日

ブラスト処理の規格について

最近よく、ブラスト処理規格、例えば代表的な ISO8501-1のSa2とかSa3についてだが、これを何か機械装置によりビジョンでとらえ、機械装置に判定してもらおうという話をよく聞く。国内外共に多い。どつぼにハマってしまった状態だ。そもそも、人がブラスト処理している場合は仕方ない。そんなにきちんとブラスト処理など人ができるわけがないのだ。だから、わざわざインスペクター制度や見本本を作成して”だいたいこんな感じでやってね。”という意味合いだったのであるが、そこに機械装置による判定という恐ろしく矛盾した行為を導入しようとしている。以前も今も私はブラスト処理方法を数値制御で行う方法しか推奨していない。現在は当然、アルファ1ブラストロボットであるが、以前は例えばブラストノズルを自動制御の軸に持たせてブラスト処理させていた。
この方法だと、まったく、処理度合いの判定はいらない。Sa3ならSa3にしかならない。

こう述べると、”機械でブラストできないところはどうするのだ?、どう判定するのだ?”と言う人がいる。だから何度も説明しているのだが、理解できない人が多い。
人でないと現在技術的、予算的にできないところに関しては所詮人がブラスト処理してるのだからそんなに、厳密な処理ができているわけがないので、今まで通り”人が判断すればいい”のだ。なんでその、適当に見本本に合うように人がブラスト処理したものをカメラにより取り込み画像解析して判定しなければならないのだ?そんなに”ちゃんとしたブラスト”をしたいなら人にやらせている間は絶対できない。人は飽きるし疲れるのだ。大抵、こんなことを言い出したり考えたりする人は、毎日ブラスト処理をしている、もしくはやらされている人ではなく、別の人だ。人の目で判断できない微妙な色合いを機械装置に任せて良いわけではない。条件が重なっているのから、単純に色判定はできない。水晶質の例えば
以前の現在は研削材から除外された山形珪砂などを使えば簡単にブラスト処理面が白くSa2.5以上に見える。そんなことを言い始めるとスチールグリッドのみでやらないといけなくなる。

どうしても、機械による判定をしたいなら、新しい処理規格を作るしかない。
従来のISO8501-1 ブラスト処理の見本本とかに準じたものではなく、新たな、例えば金属反射率とか処理面の鋭角度、粗さなどが瞬時にわかる方法で新規格を作成すべきだ。
新しい処理規格を作ること自体、日本では難しくない。ISOに準じる方がよっぽど大変だ。
まず日本で良いものができたら次に北米に持ち出す。最後にISOだが、反対が多く中々決まらない。そんなことはどうでもいい事で、便利なものができれば、必ず広まる。

しかし、将来的にはブラスト作業を人がやるケースがどんどん減っていくのに際して果たして普及するかどうかはわからない。あと30年もすれば、奇妙な形をしたロボットがブラストくらいできる時代になっていると思う。ブラストロボットのお手伝いを人がやることになるだろう、例えば研削材の集めることや、ホースのセッテイングとか。そうなると、処理規格などは必要なくなる、ISO8501-1などは元々限定はないが明らかに人がやった処理に対する見本本で、あるわけであるからである。

そもそも、普通産業処理されるものに少し錆などを残していいよ、という規格自体がおかしな話だ。はじめてこのISO8501-1を知ったときはなんといい加減な規格なんだろうと思った。日本のケレンという処理度合いはブラストの場合ホワイトメタルのみつまり、Sa3を意味していた。どうせブラストをやるんだから徹底的にやるのが当たり前だろうという性善説だ。だから、日本国内でブラスト処理の判断をインスペクター無しで統一したければSa2.5~3のみを設定すればよい。95-100%の除錆及び塗膜除去率である。Sa2とか指定すると混乱するから無にすれば良いだけだ。Sa2.5とSa3の違いなど見た目で解らない。”気持”くらいなのだ。Sa1-2という中途半端な処理度合いに関しては元請け側も期待してはいけない。そんな指定するのがそもそも間違いである。意味が分かっていれば指定しない。Sa2.5というのはSa3をもともと含まれているのである。Sa1を指定されているのにSa2.5で仕上げても問題はないのである。Sa1はSa1以上の処理仕上げの意味である。
なので、現場で差異が出ることを討論するのがいかに意味がない事かを説明しているのだが浸透しない。海外でも全く同じ経緯なので仕方なく各国インスペクター制度を作った。

日本には様々な専門学校があるが本来ならこの辺りを教える塗装技術専門学校が10件ほどあってもいいのだが無い。理由は以前はあったそうだが経営的にはうまくいかないそうだ。そんなに興味を持つ人もいないし、そんなもの自分で現場で習得するものだという考えがあるからである。工業高校だと志がまだ決定していないので無理だろう。年齢的には20歳以上30歳くらいまでが最適だ。期間は最長で1年間で十分だ。年間100日ほど様々な研削材でブラストして混合比の計算をしながらISOでもSSPCでも英文の原本を毎日読んで小論文でも書けば少なくとも海外で赤っ恥をかくれべるではなくなる。(通用するわけではないが)日本で毎年、最低10人でよいのでブラスト処理に関するエキスパートクラスを養成できれば10年で100人以上となり格段にレベルが上がるのだが現在では到底海外勢に太刀打ちできない。太刀打ちでき無いという事は、理解できないから消えていくという事だ。