高圧ブラスト

2017年9月24日日曜日

第451話 橋梁ブラストのドキュメンタリー映画 「ブリッジ ブラザース」が届いた

先日紹介した、アメリカ製作の「ブリッジブラザース」がブルーレイとDVDの2枚組で届いたので早速、視聴した。90分ものなのだがすでに2回見た。今までこんな、映画は当然見た事ないが、とにかくこんな映画を作れるアメリカは凄いの一言だ。プロが作っているので構成などは完璧で我々のような業者側から見た場合、とても参考になるし、教育用ビデオとしても使える。まず、橋の初期点検~足場の作成~養生~ブラスト~インスペクター~塗装や安全対策、ブラスト装置、雨の場合、強風の場合、家族と離れて生活しているブラスターたちのメンタルまでもが収録されている。
しかし、橋梁の屋外ブラスト(サンドブラストとビデオの中では言っている)の仕事はやっぱりアメリカの仕事なんだろうなぁと思う。日本と比較するととてつもなく橋のスケールが違う。ブラスト装置も回収機もARSを使用しているが日本ではこれの1/10スケールしかできない。車両の規制も幅も産廃規制もインスペクター不在も何もかもが全く追いつかない。アメリカでは40年前から橋梁ブラストを行っているのだが、初めはやはり滅茶苦茶だったようで(紹介ビデオ挿入がある)特に作業者の落下死亡事故が多かったようだ。
ブラストホースは元がφ38で先端φ32 SN156-850を使用している。
私が関東アスコンのブラスト塾で指導した通りの「高圧ブラストはスポーツ感覚」という事をブラスター達全員が発言している場面にはやはり私の認識が正しい事を証明してくれた。体が大きくて筋肉のあるやつと体が小さくて華奢なやつでも差が出ないように努力する、しかし、ブラストは下手くそでも=ここではSa2.5とかは全員出来る、そんなことではなく「いかに早く終える事」がテーマなのであるという私の言いたいことが映画で言っている。このドキュメンタリー映画の評価は★★★★★の5星だ。
(全編英語のみ)
関東アスコンで先振り込み現金受付で代行販売しています。03-3537-6818





2017年9月20日水曜日

第450話 ブラストルームの更新 リニューアル

3年ほど前に、関東アスコンで簡易型選別機を納品しブラストルームを24時間3交代でフルに運転していたユーザーさんがこの都度リニューアル更新して頂き選別及びブラスト能力のアップをはかった。今回は24時間ノンストップでブラストが可能になり1.0Mpa対応した。
旧装置からの撤去工事から新規導入までを請け負った。

納品前の仮組込状態での試運転確認1

納品前の仮組込状態での試運転確認2
撤去前1

撤去前2

撤去中1

撤去後1

撤去後2

撤去後3

リニューアル更新中1

リニューアル更新中2

リニューアル完了
設置状態1


24時間連続運転中。左側ブラストタンク上の圧力計に注目すればわかりやすい。
左右共に下段が加圧中である、すなわちブラスト中である。

2017年9月13日水曜日

第449話 ISO8501-1の除錆度と錆度の違い


除錆度と錆度の違いの意味を知ることになるのが
防錆管理士になるための通信教育教科書の中で出てくる。
現在、日本でもインスペクターを養成する意味でとても重要な資格である、防錆技術学校の防錆管理士なのだが、専攻科がいくつもあり、どれか一つでも取得すれば防錆管理士となる。
海外のような、「ブラスト及びブラスト後の重防食塗装に特化した教育及び資格」は現在の日本には存在しないため、最もその内容に近い防錆塗装科もしくは防錆塗装別科を受講する。現在の日本ではこれ以上のブラストに関する資格は一切存在しないので間違いないようにしなければならない。
ブラストの現場における施工管理において、この資格制度はとても重要なので、年々受講者が増えている。今後更に難易度の上昇と実技試験を取り込むことと、ブラスト処理+重防食における専門知識に特化したステップアップ等級が必要とされる。
防錆管理士:重防蝕1級~3級のような感じになれば最高だと思う。

しかし、基本中の基本であるブラストの除錆度と錆度の理解の認識ができていない現場の状況に対応しなければならない。

ここでも、英語と日本語の翻訳の難しさが間違いを引き起こしている。
除錆度と錆度
この”除”があるかないかで意味が恐ろしく違うのだが間違いやすい、事実間違える人が多い。英語では

除錆度はsurface preparation standards 
*表面処理規格(ここではブラスト処理)の度合い

 錆度はrust grade 
*錆の度合い

なので全く間違いようがない。

この手の専門用語をやたらに日本語に翻訳すると間違いが多いのでやめたほうが良いかもしれない。私もJIS Z0310を改訂しているときにISOの英語をJISの日本語に翻訳するのに苦労した。カタカナばかりだとJIS規格にならないし、誤訳は許されない。
例えば、北米では腐食穴をholidayと記述するが「休暇」などと翻訳すると恐ろしいことになる。
除錆度は本来直訳すれば「表面処理規格」か「素地調整度」であるはずなのだが
簡単に「除錆度」としたところにちょっとした、ひっかけ問題を作成しやすくしてしまっている。本来防錆管理士は弁護士のような国家試験ではなく”ふるい落とす”のが主目的ではない。「防錆における理解」が主目的である。

もう一つ、誤訳からくる認識の間違いは
Sa3、Sa2.5、Sa2という処理規格なのだが
例えば、下の表1除錆度の中のSa2「金属光沢66%以上」(*67%以上と切り上げて記載している資料もある)この「以上」が曲者である。
we require the surface preparation standards which is grade for Sa2
とさらっと書いてあったら実はSa2以上を要求しているので
Sa2.5でもSa3でもいいのである。
we require the surface preparation standards which is grade only for Sa2
we require the surface preparation standards which is grade for up to Sa2
というような表現をわざわざしてあれば別だが見たことがない、そんなに厳密な判断を現場でできないためである。(*反面、表面粗さを付記している場合は沢山ある。)
しかし、
we require the surface preparation standards which is grade only for Sa3
we require the surface preparation standards which is grade for up to Sa3
はあるし、意味も通じる間違いではない。

塗装仕様書が日本語に翻訳されるといつの間にか
we require the surface preparation standards which is grade for Sa2

we require the surface preparation standards which is grade only for Sa2
になっている場合がとても多い。
Sa2で処理してくださいの意味はSa2以上の処理度を求めているだけなのに
Sa2の写真通りに仕上げろとはどこにも書いていない。
こんな事がまじめに毎回起きているので
塗装仕様書のブラストの除錆度規格は全部Sa2.5以上と記載されることが多くなった。
Sa2.5以上といったら、Sa3しかないのでかなり現場では不可能な状況になる。
Sa3を本当の意味で恐ろしくまじめに処理するならば
圧縮窒素ガスでブラストするしかなくなるが、これは、そういう規格ではない。
とにかく、規格という物は原版をいかに崩さず翻訳し、理解するかが難しい。





*上記の除錆度上の数値パーセントは規格上の目安である。
例えば66%以上というのは本来2/3=0.666666...という理解するための翻訳である。



2017年9月8日金曜日

第448話 改造型モデル BP1000HSW BP200

BP200 69リッター ~1.0MPa 対応

BP1000 HSW 320リッター ~1.0MPa Sweep blasting対応

2017年9月5日火曜日

第447話 ブリッヂ ブラザース

アメリカでの橋梁塗り替え工事の物語
BGMもカッコいい
やはり、私が推奨する機器を使用している。
こんな感じでブラストしたい人は迷わず関東アスコンに依頼して欲しい。
予算次第で全て用意できる。
連中もビデオで話している通りブラストに一番力を入れている。
そんな事より何よりも
カッコいいのが一番だと思う。アメリカは仕事だろうが遊びだろうが
カッコいい=Coolでなければならないと考える。
私は25年も前から日本のブラストをカッコよくしたいと思っていた。
カッコいい連中は余裕があるから仕事もできる。
カッコ悪い連中はブラストもいい仕事はしない。

全編90分のドキュメンタリードラマ(ブルーレイとDVDセット)
欲しい方はご連絡ください。(関東アスコン:03-3537-6818)


2017年9月2日土曜日

第446話 ミャンマーでのブラストルームブラスト開始

エアー配管も電気配線も終わり、ブラスト開始状態となったので生産を始めた。
任務として完了した。100馬力のコンプレッサー2台で2人同時ブラストする、足りないときは予備の手前の緑のブラストタンクも投入する。
将来的に同等程度のブラストルームを10ブースほど増設すれば処理量は爆発的に伸びる。
予算的には日本でこのクラスの1ブース分で賄えるのと工期が短いのでやる気になれば1年くらいで可能である。錆度Aでブラスト処理 Sa2.5 年間50万平米くらいを目標とするなら10ブースは欲しいところである。

導入前は、スチールグリッドでも粉塵まみれの状態の中でブリキで自作した防塵面をかぶってやっていた。研削材を一回循環させただけで粉塵は無くなりクリアーなな状態でのブラストができるようになった。比較動画下記






ちなみに弊社システムを入れる直前の粉塵状態

2017年9月1日金曜日

第445話 ミャンマーでのブラストルーム  インストール2


設置は完了した。
関東アスコンにてコンプレッサー、ドレン処理装置など指導しブラストルーム製作のアドバイスをブラスト装置の設計、製造、輸出を請負い現地ですぐに立ち上げられるので実戦的である。明日からブラスト処理の生産に入る。予定通りである。
研削材はスチールグリッドで、循環、選別するための装置も含んでいる。
ミャンマーのようにまだ、ブラスト処理自体が知られていない国でも下記のように日本及び諸外国と同等なブラスト処理が即始められる。
ミャンマーの人は勤勉な人が多いのであろう、ブラスト処理面が非常に均一である。ブラストルームの照明不足でよく見ない中、ムラもなくSa2.5処理されている。現在はミャンマー国内インフラ向けだが、いずれ輸出に転じるだろう。土地や電気代がほぼ無償に近く、労働者もたくさんあふれている。同じものを日本で行えば10倍近いコストが掛かってもクォリティ的には同じものしか出来上がらない。今回、ブラスト装置、及び周辺機器全てを海外で製作させた結果、装置コストは1/4くらい、輸送コストは1/10で済んだ。研削材スチールグリッドも現地手配である。




数時間で据え付け試運転が完了する。














Sa2-2.5でブラストしている。