高圧ブラスト

2018年8月16日木曜日

アルファ1ブラストロボットの運営方法

ブラスト自体の精度を上げることも重要だが日本においては人手不足、特にブラスト作業者の確保に悩まされている方が多いはずだ。近年、さらに深刻で良いブラスト作業者が余って仕方ない会社は聞いたことが無く、国内のブラストルーム内のエアブラスト作業においては50%近くが外国人ブラスト作業者が処理している。日本人の職人が集まらないわけだが、当然と言えば当然である。今の日本の若い人たちがあの作業を「よし、これで一生頑張るぞ」などと思える内容ではない。通常なら1年もやれば技術としても十分マスターできる。これは、外国人労働者にとっても同じはずだ。彼らも同じ人間だ。こんな作業ばかりさせる、日本に対してどう感じるかは別としても、腕に職をつけるものではない作業であることは気が付くはずだ。だから、タフな環境から来た外国人と言えども、もう少し楽な仕事を探すはずだ。中には自分の国に帰った時に起業する外国人の若者もいるだろう。今回、アルファ1ブラストロボットを導入している国の連中は主に日本よりも外国人=移民があふれている国だがやはり、ブラスト作業者は人手不足だという。やらせることができないくらいのレベルなのか?やらせたくないのかはわからないが、コーカジアンの連中は皆、「ブラストやる人がいない」という。ここでいうブラスト作業はあくまでも、ブラストルーム内作業であり、賃金も高く設定はできない話で屋外作業ブラストなど危険が伴う作業の場合は賃金が高いのでやる人はまだいる。
屋内ブラスト作業は既に、人がやることの終焉を迎えているわけだ。
ブラスト作業ではなくブラスト処理として考えれば簡単で、なぜ人がやらなければならなかったのか?だけを考えればおのずと解答が出てくる。今まで、制御技術的に難しかっただけなのだ。ブラスト処理自体は人が行うより機械=ロボットなどが行う方が早くて確実な処理を行う。今時、手旋盤で高精度シャフト軸を切削していないことと同じでNC旋盤が常識なのと同じである。制御技術が発達した現在は可能となったわけで、NC旋盤やNCフライスに変わっていくと同じ経緯をたどるだけである。特に大企業の製造工場の片隅の汚い一角で埃まみれの中で作業者が頭巾を被ってやる風景は無くなっていくだろう。
なぜならば、製造過程でブラスト処理は重要な工程なのにきちんと管理が為されておらず、弱点であることを認識しているが、あまりの汚さに若い技術者が興味を持たないため、無視する体制になってしまった。そこで、下請けに管理させるのだが、下請け側もその辺を理解しているため改善はしない。する必要など全くないどころかしない方がいい事が多い。ところが、大企業の予算と技術者が居ればアルファ1ブラストロボットを使用してブラスト処理を管理することなど容易であるし、今まで管理できてなかった、ブラスト処理という得体のしれない処理工程が見えてくる。管理ができるわけである。技術者として自社製品を世の中に送り出す場合、製造工程の細部まで熟知することが重要でこれができない技術者や会社は失格だ。近年、不祥事の多くは「知らなかった、任せていたが認識不足だった。」と釈明している記者会見を見るが、あり得ない話である。以前自動車会社の1社だけが「知っているが、その検査方法に何の意味があるんであかね?はぁ?」的な発言をして猛バッシングを受けていたが、私からすると、そちらの方が技術者的には上である。要するに信頼ができる製品である。「知らない」というのは最悪で「任せていた」は無知である。
今後はブラスト作業から人が頭巾を被りうす暗い汚い部屋から出てくる風景が無くなり、企業の技術者も積極的にブラスト処理を学べる世界になっていくことを期待する。
アルファ1ブラストロボットを手作業で壁の横に設置してブラストした、この後またすぐに取り外して別の台座に装着した。25kgの重量は非常に便利だ。

処理前




処理前
処理後

この処理を人がわざわざやることに何の意味があるのだろうか?斜めに乱雑に置いたH鋼をSa2.5にするだけである。アルファ1ブラストロボットでできてしまう。
















処理後