高圧ブラスト

2020年7月18日土曜日

2020.07.18 ブラスト処理度について25年くらい昔から今の話

この半年は、一度も県外に出張にも行かず(当然年4回の海外にも行ってない)、東京の事務所すら1回しか行ってない中、ひたすら30年以上使って無かった数学脳の再稼働しているのだが中々進まない。理解度はあるだが記憶が良くなくて、しばらく前に解いた問題自体を忘れてしまう。とりあえず、微分積分、整数問題と下手の横好きの将棋ソフトをコンビネーションで朝から晩までやってる。最後は脳が疲れて寝るの毎日だ。こんな事ならなんで、30年もやらなかったのだろうか?やらなかったのではなく、全くやる時間もモチベーションもまた理由もなかったからやらなかっただけである。考えてみれば、そんなことしなくても、毎日ブラスト機の修理や部品の出荷、新しい設備の案件、海外での打ち合わせなどこの30年間もそれなりに暇なく忙しかったし、子育てや休暇は海外や温泉旅行、おいしいものを食べたりしてたのだからそもそも、この半年間のようなストイックな(特に最近2か月間はアルコールも飲まない)生活などする必要が無かったからである。普段からストイックな生活ができるものだけが本当の真の研究者なのだろう。
それでも、私のような俄か似非研究者でも昔からいずれ、解明しようと思っていたことの一つがブラスト処理の処理度の予測である。誰でもできそうで実は誰もやってなくて簡単そうで実は手間がかかるやつなので誰もやってない。これがようやく、少し見えてきたのだが、昔25年位前だが、某装置メーカーさんと共同でブラスト処理の自動化の製品化のお手伝いをしたことがあるのだが、まだ私も30歳ぐらいでこの世界に入って3年くらいだったのだが、その某装置メーカさんは結構その業界では有力な方なので私一人でその会社の営業さんから技術さんまで全員を対応していた時は、向こうからしてみればさぞかし心もとなかったのだろうけど、私があまりにも自信満々で対応してたもので付き合ってくれてその後、何台も国内外向けに売れた。私の担当はブラスト装置なのでメインなのだが金額では大したことが無くその装置の1台1億円くらいの中の500万円位しかなかったのだが、私は大変満足していた。打ち合わせや試運転など頻繁に呼び出されて大変だったがその当時は充実感を得ていた。今だったら、絶対にできないし、やらないと思う。若いうちに経験することは体力があるうちに経験しておくものだったので、結果から考えれば必然だったのだろう。それが無ければ、今日、今、この年齢で中心極限定理についてや、シグモイド、ロジスティツク関数やベイズ推定について考えるどころか言葉すら知らかったのだろう。自分の子供が今大学受験で教えるのではなく同じ目線で問題を解くなんて思いもよらなかったことだ。まぁ話としては、そのメーカーさんとやり取りしているうちに、困ったことが初期に一つだけ発生してた。そのメーカーさんの販売先が国内外の造船所だったせいでそのメーカさん自体、全くブラスト処理についての処理度の知識が無だったことである。無知識の怖いところは、知識の足場になるものが無いのでインターネットの普及が無い世界では人に頼るしかないのである。その人というのが私だったわけである。まだこの世界に入って3年くらいの私がISO8501-1の判定をしに行くのであった。笑える話だが、マジである。さすがにタダで行くのがしんどいので新しい処理度合いを独自に自社で数値的に制定してみては?と提案を何度もしたのだが、無知識なのでユーザーさんに言われるとおりにするしかなかったようで、なぜかその判定基準が私だったのである。その装置は、現在私が実験している自律型ロボットで基礎実験した時と同じ移動速度と距離などが可変で当時は混合比と圧力は固定だった。
やってることは、当時としてはかなり最先端でN.Cコントロールにて10m×5mの鋼板を1分間に12m/sでブラスト幅も変更し尚且つバキュームブラスト式なのでその場に人が立って作業できた。研削材の飛散はほとんどなかったので、室内で普通に他の人はほかの作業ができた。しかし、処理度合いの決定は数値ではなく私の業界3年目の判定が基準となった。こんなことが実は一度ではなくいつしか、判定の自称プロになってしまっていた。全く、ISO8501-1の原文も見たこともなく、アメリカのSSPCの本も読んだこともなくNACEなんて言葉も知らないのに。
「すべてが無知識者であると間違いを間違いと認識せず成立する」 という私のこの世界での格言を自分で実践していたのである。
ともかく、このISO8501-1というとんでもなく人間基準の判定方法に疑問を持ったまま現在に至っているのだが、ここにきて最終的な理論解答が見えてきた。