クレムコからは、モイスチュアブラストを見せてほしいとのことなので、当然、テストしたが
全く歯が立たない。エポ+グラスフレーク5000μよりも強靭だったので、仕方なく
ベンチマークするために、酸化アルミナを使って、一点集中のカウントを行った。
この方法は、私が鋼板を穴を開ける速度でノズルと研削材のベンチマークする規格には無い方法だ。この方法である条件で塗装面を剥離して金属生地をφ5mm程度露出するのに30秒かかった。いずれにしても活膜状態では、ブラスト剥離するのは実用的でないことが言える。
時間が経過した塗装面ではまた違うと思われる。
この塗料の塗装面をブラストすると表面は硬化質なので簡単に一瞬で研削されている様なのだが、中身は完全な弾性体でまるでウレタンゴムのライニングで強固に張り付いている感じである。
一見テストピースはいかにもその辺のDIYの店で買ってきた様な値札のようなものが付いている鋼板で厚みも3.2くらいであった。鉄板自体が歪んでいないため前処理はブラストしていないようである。だとすれば、この付着力は相当なもので、通常、この手の塗装は、ブラスとする起点を見つけ出せば、意外と脆く、剥離ではなく、破壊していく感じでブラストするとボロボロになるものである。もうすこし、膜厚を増やせばさらに、剥離しにくくなる。
ガーネット#80なので、粒子速度は十分に上昇している。
硬度は、当然ことながらスラグ系研削材の1.5倍も高いのと粒子速度の高さから
効率ではなく、剥離できるかできないかであればまず、問題ない条件である。
ガーネットで全くダメな場合は、鉄系研削材などカッターで切れないものをハンマーで叩くようなものなので、やる意味はまったくない。次にトライするのは酸化アルミナで、これで剥離までの時間で通常コストバランスを見る。付着物で酸化アルミナで剥離できない物は一般的には少ないため、
高分子や弾性物質の場合のブラストでの剥離時間が決め手となる。
剥離方法は、IHや、ケミカルか何かでいったん、塗膜を熱ないし化学的に破壊すれば、ブラストでも容易に剥離できると思われるが、そのままでは効率が悪い。
すなわち、この塗料は耐衝撃性が高いということだ。
なので、高圧水ジェットの剥離方法は使えないということだ。
価格は知らないが、耐摩耗系に対してかなり使う用途があると思う。
ビデオで見ると、ショットガンで塗装面を打っても、剥がれてないようなので
どうしても、ブラストで剥がす場合は、ダイヤモンドもしくはカーボランダム系砥粒でブラストノズルで粒子速度を音速あたりまで加速させれば、剥がれてくるだろうけど、コストが効率悪い。
ラインX 2000μ |
全然剥離できない 上がモイスチュア+ガーネット 下側 酸化アルミナ |
ブラスト威力を確認してもらう為に同じ時間ブラストした。 |
15秒くらいで簡単にここまで削れる。 |