高圧ブラスト

2017年4月3日月曜日

ブラスト処理と溶接の似ているところ

最近ようやく、私も25年このブラストメーカーの職について全部ではないがほぼ理解したと言える。細かい計算を伴う学術的なものは全てではないが一度は齧っている。
ブラストテストも何度も行っているので大抵の結果は予想がつく。

で、言えることはブラスト処理をきれいに完ぺきな状態にしたい場合は、条件を固定したまま正確にノズルを移動させなければならない。そうすると、最高の状態でのブラスト処理が行われる。溶接や溶断と全く同じで自動化やロボット化した装置に作業者は絶対勝てない。

Sa2.5という目視ではなく除錆度をデータとして管理する実験をした。
ノズル、圧力、研削材混合比、送り速度、スタンドオフが要素である。テスト後、除錆度と表面粗さを測定した。

間違えてはいけないのは、目視判断が要する孔食・腐食が激しいものをブラスト処理する場合のAIプログラムと人間の話をしているのではないことだ。この技術においても近い将来、AIの方が勝るであろうし、多関節ロボットにしても人間型が完璧になれば解決してしまう。

そんな、近未来の事ではなく現状でも十分勝ち目はないのだ。

簡単な溶接とブラスト処理する場合に、厚み10mm程度の鋼板の10m程度突合わせ溶接後、ブラスト処理する2工程を作業者がやるのと、ただ単に簡単な自動走行台車に溶接トーチとブラストノズルを固定したもので比較すればわかりやすい。一日、100回ほどやれば
なおさら、差が出る。

ブラストと溶接は条件の再現性だけが求められているのである。
そこに「上手い下手」はないのである。

腕の疲れや作業性の悪さからスタンドオフの変化や角度が変わるから作業者は誤魔化そうとするだけなのである。バキュームブラスト工法の場合は装置を全く同じものを使用してノズルヘッドだけ自動化すると10倍ほど結果が変わる。

処理結果が1秒以下で完了しているから、人間では判断が追いつかないのであると思う。

塗装処理と比較すれば容易に理解できる。

ブラスト処理や溶接処理は平面であれば、1パス処理で完結する。
往復処理は全く必要なく無駄である。

条件が決まれば再現性だけが求められる。