元々、私が若い頃からやりたかった仕事は、海外にブラスト機を納入し軌道に乗せる事だった。時間が掛かってしまったがようやく、それが実現することになりそうである。
単純に日本で製作した装置を日系企業に納入するのは誰でもやれるし、すでに私自身もやっている。ここで、言うのはそのことではない。
日本で海外組と検討打ち合わせし、ブラスト装置の設計、貿易書類の作成は日本で行う。
製作と輸出までを海外協力会社が行う。現地試運転は我々のスタッフと海外協力会社が行う。
こんな事、みんなやっているようで案外、実はやっていない。
ユニクロとかの服関係などの単品ものなら当たり前の世界らしい。
トヨタも単品もの、しかり。
・・・が特注物の装置関係でやっている会社がどれほどいるのか?
これをようやくマスターしたので、享受できるようになった。
メリットは、海上運賃と関税とタンクの耐圧証明の壁の削減と除外。
タンクの耐圧証明は厄介で日本の規格は互換性が無くASME採用の国が
ほとんどである。ASME準拠でもASMEの計算書を添付しなければならないので
ここで大抵、日本の場合撃沈される。はじめからASME仕様で行けばいいのだ。
次に特注対応だがこれが最も難易度が高い。日本でも日本語が通じない人が多いのに
海外で特注設計を仕掛けるには英語能力とかだけではなく技術思考も要求される。
我々の場合、ユニクロや楽天と違い会社内の会話は日本語で行う。
社内書類は100%日本語である。
社外書類は5-6割英語である。
我々は外見上はブラック企業でいわゆる「意識低い系」である。
内面はホワイト企業で「意識高い系」である。
カナダ人が昔、「チョコアイス」と言うんだよと教えてくれた。
イギリス人が「ソルトペッパー」と教えてくれた。
誰でも知っている「バナナ」なんてくだらないレベルではない。
いずれも人種を揶揄したスラングだ。
このスラングをなぜ実践するかと言えば
「美味しい」
からだ。