高圧ブラスト

2018年6月29日金曜日

自律型ブラストロボットによるブラスト処理を始める際して

自律型アルファ1ブラスト処理ロボットに関しては従来の多軸型ロボットとは全く違う概念でブラスト処理ができるため研究が必要である。従来はティーチングかプログラムにしか頼れないため、ワーク位置と形状が変わると対応できなかった。そのため、ブラスト処理の試験をするにも単純な形状のみで行うしかなった。自律型アルファ1ブラスト処理ロボットはブラスト対象物の形状に関しては使用者側の概念としては気にしなくてよいため一連の構造物に関しても連続ブラストができる。最大の特徴として3次元の絵としてとらえる事である。従来の多軸型ロボットは目が無いので形状変化に対応できない。また、更にブラストシュミレーションと実行が対になっているため把握しやすい。ロボット及びAIの先進国であるアメリカでさえ、この自律型ブラスト処理ロボットは実現していないため、この先数年も実用販売されることは無いと思われる。理由は簡単で現在および近い将来的にもコスト的にペイしないためである。日本で開発及び製造販売は技術的には可能でも商業的には永遠に赤字になる事は間違いない。フェラーリやランボルギーニを上回る車を日本の軽自動車の専門メーカーがゼロから開発しないのと同じ意味である。日本の自動車メーカならどこでもフェラーリやランボルギーニを超える車を開発することくらいは容易である。しかし、誰もそんなステータスも無く需要も全くない車を数百億かけて生産などするわけもない。規模は違うが、意味は同じである。現在、自律型アルファ1ブラスト処理ロボットが日本で最高に売れても初めは10台くらいではないかと思う。逆にこの1台で終わる可能性もある。ブラスト処理工法自体古いので認知してもらう必要もない。この自律型アルファ1ブラスト処理ロボットを手にする者は明らかにブラスト処理というものに嫌々従事している者ではなく、運命的に携わり、道楽的にトップ、頂点を目指した者だけが手にするマシンなのである。道楽だから当然儲からない、趣味なわけだから恐ろしくブラストに詳しいエンスーのみが興味を抱く。そもそも、ブラスト処理を10年以上研究していればおのずとわかる壁がある。人間の腕の筋肉の速度と角度の維持の低い限界点である。簡単に言えば、人間は疲れるので自動ブラストには勝てないのである。今のところ勝てるのは目視によるブラスト処理の不良の判断である。ミルスケール相手のブラスト処理では既に誰もが理解している。なので、屋外の既存の構造物に対するブラスト処理も人間では完全にできないのである。何回かやれば必ずミスがあるし、作業者に1週間、同じ角度で同じ距離で同じ間隔で1日200m2をSa2.5でやらせて、2日目の3時20分にブラストした場所のブラストパターンを言ってくださいなんてできない事なのである。人間なんだから当たり前である。人間は物を考え生活する生き物であるので、向いてない作業は置き換えるしかない。ブラストの研究にしても同じである。条件がわからないブラスト処理した鋼板の研究結果を聞いて、知っても何も感動しない。研究する対象物が構造物である場合でも人間のブラスト処理物で考える場合はできるだけサンプリング数を上げるしかない。
しかし、自律型ブラスト処理ロボットなら1回で済む。記録もブラスト処理の状態までが記録として残るためである。