高圧ブラスト

2019年2月2日土曜日

2019.02.02 AI型ブラストロボットと人が共存できる制御盤を作ってみた。

要するに多目的に使えるという事だが、研削材の混合比も自動でできるようにしながら、人でもアルファ1ロボット(AI型ブラストロボット)にも作業させられるようにしたかったので作ってみた。無線も有線も両方リモコンが使えるようにしてみた。
これでテストを行えばだいぶ楽になる。
間違えないように日本語で執拗に表示した。最近は装置に関しては英語をなるべく使わないように心がけている。QRコードも付けておいた。
10年以上前に近くのレンタル屋でエンジンコンプレッサーやユニック付きのトラックを借りたことがあった。その時、異様なまでに執拗に大きなひらがなで操作方法の注意が無数にでかでかとシールですべての部位に貼られていた。ガソリンと軽油の入れ間違いに対する警告、破損させた場合、盗難された場合、破損、盗難された者、盗難した者((笑))に対する損害額の警告までもが貼られていた。ほとんどがカタカナとひらがなで。正直いって気持ちが悪く、その後エンジンコンプレッサーとユニックのトラックは購入した。二度と借りたくない気分だった。
しかし、最近は良くその気持ちがわかるようになった。この30年近くブラストという日本ではマイナーな処理をする装置を設計製造、輸入、販売してきてほとんどの全ての装置トラブルの原因は使い方とメンテナンスの不良なのである。で、その更に原因が取説を全く読まず、自分なりの勝手な判断で使っている事が原因しているのである。
現在のスマホなどは既に取説を読まずとも操作が可能になったがそれはソフトがサポートしているのである。ハードが連動するものには危険が伴うため成立しない。
その辺が理解できない者が多いのが現実である。そのレンタル屋も何度もユニックのブームを折られたのであろう、当時そこで借りた移動式クレーン車は大抵調子が悪くブームも伸びずに異音がしたり最悪だつた。苦肉の策であり警告だったのであろう。気持ちはわかる。現在はどうしているのであろう?英語、中国語、ベトナム語、アラビア語で書いているのであろうか?まぁいずれ、遠くない将来は必ず日本人及び日本語を理解する者しか日本でコストが合わなくなるくらいに単純労働がなくなることになるのが目に見えている。
しかし、その時代を通過した後は逆に単純労働こそ英語表記が残され高度な仕事のみがあえて日本語表記のみになるのかもしれない。
一種の暗号みたいなものだ。
今回下記の制御盤もスイッチの押し時間の長さに仕掛けをしといた。
長押し時間をや押し回数を間違えるとブラストできないのだ。パスワードは忘れると終わりだが回数ロックはプログラムで簡単に変更できる。




従来のスイッチも使える。
自動車用のリモコンSWも使えるようにした。製品ではなく私がロボットのテストを行うときに手が足らないためブラストの一連の動きを離れたところでやるためだ。100mはOKらしいが・・・

よくあるクレーンスイッチもブラストとエアーブローも使える。

パネルからの制御も可能である


昨年末から三菱のシーケンサのプログラムにはまっているのだが、1万ページ以上の取説や質疑及び一般の方々のFAQが無ければ到底使いこなせない状態なのだが英文に翻訳され使いこなす人が大勢現れるとは思えない。日本語での電話でのサポートも完璧らしい(電話したことがないが)。このような将来的にも高度な仕事、すなわちソフト技術とハード技術を融合させる仕事は残るため日本語限定しといた方がいいだろう。
現在、関東アスコンで使用及び販売しているブラスト装置のハード系(ブラストタンクや選別機)はほぼ95%以上海外で製造及び製造可能状態となっている。設計物を含めても同じであり、差異は無い。コストを考えればなおさら良い事だけだ。特にマレーシア製は品質が良く、マレーシアには機械・電気技術者も多く英語も主要語なので場数を踏んできている。
将来的には日本語をマスターしたマレーシア人が高度な分野に進出してくる可能性がある。現在はまだブラスト処理・塗装作業などが儲かる仕事なので管理側は日本人が多いのだが、じきにインスペクターなどが付き厳しくなれば業者が淘汰される。日本の場合はその辺が良きにも悪きもあやふやなのでインスペクターは有効ではない、なのでこの分野は何年たっても技術が伸びない。大した塗装をしていない日本の車でも10年くらいでは錆まくらないが高級な重防食を施しているはずの日本の塗装済み屋外構造物は酷いものがある。クレームの数に合わせて技術が進化するのであろう。全くクレームが無い分野の技術は伸びない。インスペクターも居ないので途中経過も放置なのだから更に伸びない。
先日、あるユーザーから依頼を受けて完全海外仕様の新品ブラストタンクを出荷した。
理由はわざわざ定期的に来日して塗装作業をインスペクトしに来るとのこと。契約に入っていたのであろう、彼らは当然なのだが得体のしれない使用済み研削材の循環ブラスト装置を嫌がる。専用機での処理が契約に入ってたのだろう。研削材は使い捨てなのは当たり前だが装置まで専用というのはレアである。よほど信頼されてないのであろう。海外からインスペクターが来れば日本のレベルは一目瞭然なのだが、かといって私からすれば海外の連中もさほどレベルは高くない。全体的にレベルが普通なのである。ここが重要なのであるが。案外、彼らは技術的ルールは守る。後が怖いのでろう。英語圏、英語公用語の連中は案外、打合せの中でもその辺は妥協しない。簡単な例でいえばブラスト用防塵面だ。
絶対に変なブラスト用防塵面は使用できない。こじつけた屁理屈の合成も許さない。北米なら3社しか適用しない。私がそのうちの1社クレムコを扱ってきて現在はクレムコとパンブラ防塵面(ヨーロッパは可能。北米では使えない)だけだが日本では正式採用されない。安全性は完璧で鉛中毒者など防塵面を被っていてなるものは1名もいない。他の要因であるにもかかわらずだ。30年近くヘルメット防塵面には費やしてきたが最近はようやくやめた。理由はブラスト処理は人からロボットの道が完全に見えたからだ。ブラストしないなら防塵面でなくマスクでいいのだ。